昔々、ある小さな村に住む農夫がいました。彼は、毎日朝早く起きて、田んぼの手入れをすることが大好きでした。しかし、彼には一つだけ大きな悩みがありました。それは、田んぼに水を引くための川の水が、なかなか自分の田んぼまで届かないことです。そこで、農夫はある日、考えました。自分の田んぼにだけ水を引くために、川の水を独り占めしようと決めたのです。
農夫は、川の流れを変えて自分の田んぼにだけ水が流れるようにしました。すると、彼の田んぼはみるみるうちに青々とした稲が育っていきました。ところが、周りの田んぼは水がなくて干からびてしまい、他の農夫たちは困り果てていました。彼らは「どうして自分の田んぼにだけ水を引くのか」と怒り、農夫に抗議しましたが、彼は「自分の田んぼが大事だ」と全く耳を貸しませんでした。
そのうち、村の人々はこの農夫の行動を見て、「我田引水」という言葉を作りました。これは、自分だけの都合で周りを無視することを意味していました。農夫は自分の田んぼが潤うことに満足していましたが、結局は村全体が困ることになってしまったのです。この教訓から、他人のことも考える大切さを学んだ村の人々は、以後「我田引水」を気をつけるようになりました。
さて、現代の学校でも、この言葉を思い出すことがよくあります。たとえば、友達と遊びたいゲームを決めるときに、自分だけが楽しめるルールを提案する子がいるとしましょう。そういう時、周りのことを考えずに自分の都合ばかりを優先するのは、「我田引水」だと思います。このことを理解して、みんなで楽しく遊ぶためにはどうすればいいか考えることが大切ですね。