昔々、ある小さな村に、老いた学者が住んでいました。彼は長い間、様々な書物を集めては、自らの知恵を深めていました。しかし、村の外で起きた大きな嵐のため、彼の大切な書物が壊れてしまったのです。彼はその悲しみに暮れ、書物の切れ端を集めることにしました。
書物の切れ端は、まるでお話の中の小さな宝物のように見えました。彼はそれを一つ一つ拾い集め、何とか元の形に戻せないかと考えました。しかし、どんなに努力しても完全に元に戻すことはできませんでした。そこで彼は、「これもまた、知恵の一部だ」とつぶやきました。
村の子どもたちは、彼が集めた断片を見て興味を持ちました。「この文字は何て書いてあるの?」「これはどんなお話だったの?」と質問が飛び交いました。学者は微笑みながら、子どもたちにその断片から想像を膨らませて物語を作るように教えました。子どもたちはそれを聞いて、さらに創造力を働かせることができました。
やがて、学者は子どもたちと共に、切れ端の言葉から新しい物語を作り上げました。彼らの創作は、もとの書物とは違うかもしれませんが、新しい価値を持つものとなりました。こうして、彼の村は「断簡零墨」の教えを受け継ぎ、切れ端からでも素晴らしい物語を紡ぎ出すことができるようになったのでした。