昔々、ある小さな村に、薪を集める仕事をしている人々がいました。毎日、太陽が昇る前から働き始め、重たい薪を背負いながら山を登り、村に戻るのです。彼らは薪を運ぶことに誇りを持っていましたが、時にはその疲れから病気になってしまうこともありました。
ある日、村の中で特に働き者の男が重い風邪を引いてしまいました。彼は薪を背負うことができず、ベッドに横たわることになりました。友人たちは心配して、何度も彼の家を訪れました。しかし、彼は自分の病気を大げさに言わず、「最近ちょっと体調が優れない」と控えめに話しました。
その姿を見て、村の人々は彼の謙虚さに感心しました。彼は、苦しいときでも自分を卑下することなく、周りの人々に心配をかけたくない一心で、病気を軽く見せていたのです。このことから、「負薪之憂」という言葉が生まれ、自分の病気を謙遜して表現することが村の人々の間で広まりました。
そして、時が経つにつれて、この言葉は村だけでなく、他の地域でも使われるようになりました。今では、少し具合が悪いときに「私は負薪之憂で…」と言うことで、自分の病気を控えめに表現し、周りに心配をかけないようにするための大切な言葉として受け継がれています。