天の原 ふりさけ見れば 春日なる
三笠の山に 出でし月かも
( 阿倍仲麻呂:あべのなかまろ )

よみかた

あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも

歌の意味

広々とした空を仰ぎ見ると、そこに月が浮かんでいます。

その月は、かつて故郷である奈良の春日、三笠山の上に昇っていたものと同じ月なのだと、懐かしさが込み上げてきます。

詩の背景

この歌は、遣唐使として唐に渡った阿倍仲麻呂が、約30年ぶりに帰国できるという喜びの送別会で詠んだものです。

しかし、帰路の船が遭難して結局日本へ戻れなかったという歴史的背景を知ると、故郷を想う切実な郷愁がより一層胸を打ちます。

「阿倍仲麻呂:あべのなかまろ」は何をした人?

阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)は、698年から770年にかけて生きた奈良時代の人物です。

16~20歳のころに遣唐使として中国(唐)に渡り、玄宗皇帝に仕えました。

非常に優秀な人物として現地でも厚く信頼されていましたが、日本へ帰国しようとする願いは遂にかなわず、異国の地で生涯を終えました。

彼が望郷の念を込めて詠んだこの歌は、多くの人の心に残り続けています。

慣用句 学習用問題