渡りに船
(わたりにふね)
「渡りに船」の使い方
雨がふってきて困っていたら、ちょうど母が車で迎えに来てくれた。渡りに船だ。
小学生に理解できる「渡りに船」を使った物語
シオリのクラスでは、学級会で、教室でメダカを育てることが決まりました。理科の先生が、たまごのついた水草を分けてくれるというのです。
こまったのは入れ物でした。教室にあるのは、小さなプラスチックのコップだけです。「だれか、家に使っていない水そうはないかな」と担任の先生が聞きましたが、手をあげる人はいません。シオリも家の中を思いうかべてみましたが、心当たりはありませんでした。
その日の夕方、シオリが家に帰ると、おじいちゃんが物置の前に、古い道具をならべていました。つりざお、植木ばち、さびたじょうろ。その間に、ほこりをかぶったガラスの水そうが一つありました。
「おじいちゃん、それ、どうするの」
「お父さんが小さいころに、カメを飼っていたやつだよ。もう使わないから、ごみの日に出そうと思ってね」
シオリは水そうにかけよりました。「出さないで。学校で使いたいの」
わけを話すと、おじいちゃんは声をあげて笑いました。台所から顔を出したお母さんも、「渡りに船ね。物置も一つ片づくし」と言いました。
次の朝、シオリはおじいちゃんといっしょに、水そうを車に積みました。まだ少しほこりっぽいガラスのすみには、マジックで小さく「カメ太郎」と書いてありました。
「渡りに船」の例文
- 自由研究のテーマに迷っていたら、先生が地域の昔話を調べてみたらと言ってくれた。まさに渡りに船だった。
- 重い荷物を運ぶのに困っていたところに、兄が手伝おうかと声をかけてくれた。渡りに船とはこのことだ。
- かさを忘れて帰れずにいたら、友だちが一緒に入ろうとさそってくれた。渡りに船だった。
「渡りに船」の類語
- 願ったり叶ったり
- 好都合
「渡りに船」の由来
川を渡ろうとしているところに、ちょうど船が来てくれることから生まれた言葉です。仏教の教え(法華経)の中の「渡りに船を得たるが如し」という言葉がもとになっているとされます。




