昔々、一つの小さな村がありました。この村の近くには、冷たい風が常に吹く不思議な山がそびえ立っていました。村人たちはその山を「けんもほろろの山」と呼び、誰もがその山の近くに行くのをためらっていました。なぜなら、その山に住む生き物たちは、どんなに優しい言葉で頼まれても、冷たい態度で断ることが多かったからです。
ある日、村の子供たちが遊びに行くと、友達の一人が「この山の生き物たちにお願いしてみよう」と言いました。皆はドキドキしながら山のふもとに行きましたが、頼んでみると、やはり生き物たちは「無理だ、そんなことはできない」と冷たく断りました。子供たちはがっかりしましたが、何度も挑戦するうちに、少しずつその様子が面白くなってきました。
それ以来、村では「頼んでも無駄だ」という時に「けんもほろろだね」と言うようになりました。頼みごとをすることが難しい山の生き物たちを見て、子供たちは「これが本当のけんもほろろだ」と笑い合ったのです。村の人々もこの言葉を使うことで、誰かに冷たく断られた時に心の中で納得することができるようになりました。
時が経つにつれ、「けんもほろろ」は村の言葉として広まり、様々な場面で使われるようになりました。学校では友達に宿題を頼んで断られたとき、家では家族にお菓子を分けてもらおうとした時に、子供たちはこの言葉を使い、心の中で笑いを交えながら受け入れていったのです。そして、このことわざは、冷たく断られることもあるけれど、相手の気持ちを理解する大切さを教えてくれるのでした。