故事成語辞典
連絡をしても、まったく返事がないこと。
引っ越した友だちに手紙を出したが、梨の礫で返事が来ない。
ゲンが図書館のリクエストカードを書いたのは、夏休みが始まってすぐのことでした。読みたかったのは『ほねほね大図鑑』という本です。カードを箱に入れると、図書館の人が「入ったら電話しますね」と言いました。一週間たっても、電話は鳴りません。二週間たっても、鳴りません。家の電話が鳴るたびに走っていきましたが、いつもおじいちゃんへの電話でした。「リクエスト、梨の礫だなあ」と、ゲンは夕ごはんのときにぼやきました。おじいちゃんに教わったばかりの言葉です。おじいちゃんは「むずかしい言葉を覚えたな」と、なぜかうれしそうでした。八月のなかば、ゲンは自転車で図書館へ行きました。カウンターで名前を言うと、図書館の人はパソコンを見て、「あ」と小さく声を出しました。「ごめんなさい。電話番号の数字が一つ足りなくて、かからなかったみたい」カードを見せてもらうと、ゲンの字で書いた番号は九けたしかありません。本は、十日も前から、カウンターのうしろのたなでゲンを待っていました。ゲンは図鑑をかかえて帰り、「ただいま」も言わずに居間で読み始めました。その晩、おじいちゃんは、カレンダーのうらに大きく家の電話番号を書いて、ゲンの部屋のかべにはってくれました。
ゲンが図書館のリクエストカードを書いたのは、夏休みが始まってすぐのことでした。読みたかったのは『ほねほね大図鑑』という本です。カードを箱に入れると、図書館の人が「入ったら電話しますね」と言いました。
一週間たっても、電話は鳴りません。二週間たっても、鳴りません。家の電話が鳴るたびに走っていきましたが、いつもおじいちゃんへの電話でした。
「リクエスト、梨の礫だなあ」と、ゲンは夕ごはんのときにぼやきました。おじいちゃんに教わったばかりの言葉です。おじいちゃんは「むずかしい言葉を覚えたな」と、なぜかうれしそうでした。
八月のなかば、ゲンは自転車で図書館へ行きました。カウンターで名前を言うと、図書館の人はパソコンを見て、「あ」と小さく声を出しました。
「ごめんなさい。電話番号の数字が一つ足りなくて、かからなかったみたい」カードを見せてもらうと、ゲンの字で書いた番号は九けたしかありません。本は、十日も前から、カウンターのうしろのたなでゲンを待っていました。
ゲンは図鑑をかかえて帰り、「ただいま」も言わずに居間で読み始めました。その晩、おじいちゃんは、カレンダーのうらに大きく家の電話番号を書いて、ゲンの部屋のかべにはってくれました。
投げた小石(礫)が返ってこないように返事がないことを、「無し」と「梨」をかけて言った言い方です。
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