昔々、山のふもとに小さな村がありました。その村には、力持ちの男が住んでいて、村中の人たちから頼りにされていました。ある日、男は村の広場に大きな石があるのを見つけました。石はとても大きく、どう考えても一人では持ち上げられないものでした。
男は、「これは村のみんなの力を合わせれば、動かせるかもしれない!」と思いました。そこで、友達を呼び寄せ、みんなでその石を動かそうとしました。子供たちやおじさん、おばさんまで集まってきて、力を合わせて石を押したり引いたりしましたが、石はびくともしません。
みんなは汗をかきながら、一生懸命頑張りましたが、石は全く動きません。すると、村の長老が近づいてきて、笑いながら「この石は、梃子でも動かぬな」と言いました。みんなはその言葉を聞いて、確かにどんなに頑張ってもこの石は動かないことを悟りました。
その後、村人たちは石の周りで遊ぶことにしました。重たい石は動かせなくても、その周りには楽しい思い出がたくさんできました。そして、「梃子でも動かぬ」という言葉は、村の中で何かを動かせない時に使われるようになり、みんながその教訓を大切にするようになったのです。