昔々、ある小さな村に、特別な道具を使って何でも作ることができる大工がいました。しかし、彼には一つだけ苦手なことがありました。それは、道具を使うことだったのです。彼の名前はタロウ。タロウは、細い箸を使って料理を作ることも、頑丈な棒を使って家を建てることも、上手にはできませんでした。
ある日、村人たちはタロウに依頼しました。「タロウ、私たちの家を修理してくれないか?」タロウは自信を持って「もちろん!」と答えました。しかし、いざ修理を始めると、道具の使い方がわからず、彼は手こずってしまいました。みんなが期待していたのに、タロウは道具をうまく扱えず、結局、何も進まなかったのです。
村人たちは困ってしまい、「タロウは本当に箸にも棒にもかからぬなぁ」とため息をつきました。タロウはその言葉を聞いて、ますます落ち込んでしまいました。自分ができないことを恥ずかしく思いながらも、彼は何とか道具を扱えるようになりたいと決心しました。
次の日、タロウは道具の使い方を一生懸命練習しました。失敗を重ねながらも、少しずつ上達していくうちに、村人たちも彼の成長を見守るようになりました。やがて、タロウは道具を使いこなせるようになり、村の頼れる大工としてみんなに愛される存在となったのです。こうして、「箸にも棒にもかからぬ」という言葉は、タロウの成長の物語として村に語り継がれるようになったのでした。