昔々、ある町に冷酷な王様がいました。この王様は、城の中で贅沢に暮らしながら、町の人々が苦しむ様子を全く気にしませんでした。人々は飢えや寒さに耐えながら、王様の金持ちぶりを見上げるしかありませんでした。王様は「私の国は私のものだ、他の者はどうでもよい」と思っていたのです。
ある日、町に貧しい家族が住んでいました。彼らは食べ物もなく、寒さに震えていました。そこで、家族の父親は王様に助けを求めることにしました。彼は精一杯の勇気を振り絞り、城に向かいました。しかし、王様はその父親を見て、「金も持っていない者に用はない。帰れ!」と冷たく言い放ったのです。
その言葉を聞いて、父親は悲しみに満ちた目で王様を見つめました。しかし、王様は全く心を動かされることなく、自分の食事を楽しむことに夢中でした。人々はその様子を見て、王様がどれだけ冷酷で人情味がないかを知ることになりました。この出来事から、心がない人を「血も涙もない」と表現するようになったのです。
それからというもの、町の人々は「血も涙もない」とは、他人の気持ちを全く考えない様子を指す言葉だと知るようになりました。もし、友達が困っているのに助けようとしない人を見かけたら、その人のことを「血も涙もない」と考えるかもしれませんね。大切なのは、他人を思いやる心を持つことなのです。