昔々、ある小さな村に、心配事が絶えない男が住んでいました。彼の名前はタケル。タケルは毎晩、布団に入っても、明日の仕事や家族のことを思い出しては、なかなか眠れませんでした。そのため、彼の枕はいつも低く、寝るときは体が疲れているのに、心だけがざわざわしていたのです。
ある日のこと、村に賢者がやってきました。タケルは賢者に相談しました。「どうすれば、心配事を忘れて安心して眠れるのですか?」賢者はにっこり笑って、タケルに大きな枕を渡しました。「この枕に、お前の心配事を全部置いて寝るがよい」と言いました。タケルは半信半疑でしたが、賢者の言葉を信じて、その夜からその大きな枕を使うことにしました。
タケルは、枕の上に自分の心配事を一つずつ置いていきました。「明日の仕事は大丈夫だろうか?」「家族は元気かな?」と考えながら、心配事を枕に預けていくうちに、少しずつ心が軽くなっていきました。そして、ついにその日の心配事をすべて枕に置いたとき、タケルはすっと眠りに落ちたのです。
翌朝、目が覚めたタケルは、すっきりとした気分でした。心配事をすべて枕に預けたおかげで、彼は安心して眠ることができたのです。それからというもの、タケルは大きな枕を使い続け、心配事を手放して生活するようになりました。彼は「枕を高くする」ことの大切さを知り、村の皆にもその教えを広めていったのでした。