ある日曜日、ユイはお父さんといっしょに、物置の片付けをすることになりました。物置の戸を開けると、中にはいろいろな物が、ぎっしりとつまっていました。
こわれたかさ、使わなくなったおもちゃ、何年も前の雑誌、ふたのない箱、いつ買ったのかわからない置物。どれも、ほこりをかぶっていました。
お父さんは、物置の中を見わたして、苦笑いしました。「いやあ、有象無象がたまっているなあ。いつの間に、こんなにためこんでしまったんだろう」。
有象無象とは、いろいろなものが入りまじった、つまらないものの集まりのことだと、お父さんは教えてくれました。
二人は、物を一つずつ取り出して、「使う物」「ゆずる物」「すてる物」に分けていきました。まだ使えるおもちゃは、近所の小さい子にゆずることにしました。
有象無象の山の中から、思いがけない物も出てきました。ユイが赤ちゃんのころに使っていた、小さなくつです。お父さんは、それを手に取って、なつかしそうに目を細めました。「これは、とっておこう」。
片付けが終わると、物置はすっかり広くなりました。ユイは、有象無象の中にも、大切な思い出がかくれていることがあるのだと思ったのでした。