みさきの姉は、この春、高校の吹奏楽部の定期演奏会でソロをまかされました。家でも毎日、トランペットの練習をしていました。
演奏会の当日、姉のソロは会場いっぱいに美しく響き、大きな拍手が起こりました。演奏が終わったあと、ロビーで待っていたみさきたちのところに、姉がうれしそうにやってきました。
すると、姉の部の先生がやってきて言いました。「今日のソロは、本当にすばらしかったよ。それから、市の音楽祭にも代表として出てもらうことに決まったんだ」
姉はびっくりして、思わず母にだきつきました。父は笑って言いました。「ソロの成功に、音楽祭の代表まで。錦上添花だね。よいものの上に、さらによいものを加えることを言うんだよ」
帰り道、みさきは花屋さんに寄って、小さな花束を買いました。家に着くと、姉に「おめでとう」と言ってわたしました。
姉は花束を見て、「今日は錦上添花の日だね」とにっこり笑いました。みさきは、自分もいつか、だれかの喜びにさらに喜びを重ねられるような人になりたいと思いました。