みらいの学校では、毎年秋に、市内の小学生が集まる合同音楽会があります。今年、みらいのクラスは合唱で参加しました。
いくつもの学校の発表が続く中、ある学校の男の子がピアノのばんそうをしました。その音は、ほかのどの演奏よりもすんだ響きで、会場はしんと静まりかえりました。
演奏が終わると、大きな拍手がいつまでも続きました。となりにすわっていた先生が、小さな声で言いました。「あの子は鶏群一鶴だね。多くの平凡な人の中に、一人だけすぐれた人がまじっていることを言うんだよ」
音楽会のあと、みらいは会場の出口でその男の子を見かけました。思い切って「ピアノ、すごかったね」と話しかけると、男の子は照れくさそうに笑いました。「ありがとう。毎朝、学校に行く前に練習しているんだ」
みらいは、鶏群一鶴と言われるような人でも、毎日の練習を欠かさずに続けているのだと知りました。
帰り道、みらいは、自分の好きなことは何だろうと考えました。そして、得意な絵を毎日少しずつかいてみようと決めました。いつか自分も、何かでかがやける人になりたいと思ったのです。