夏休み、たくやは自由研究で、家の近くの池にすむ生き物を調べることにしました。池には、メダカやアメンボ、ヤゴなどがたくさんいました。
調べていくうちに、たくやは気づきました。池の水草のかげにいるメダカは、体の色が水草に似ていて、なかなか見つけられません。一方、目立つ色の金魚は、すぐに鳥に見つかってしまうと、近所のおじさんが教えてくれました。
たくやは図書館で本を調べました。すると、生き物の世界では、まわりの環境に合った特徴を持つものが生き残りやすいと書いてありました。たとえば、雪の多い地方のウサギは、冬に毛が白くなるので、敵に見つかりにくいのです。
二学期、たくやが発表すると、理科の先生が言いました。「これを自然淘汰と言うんだよ。環境に合った生き物が生き残り、合わないものが滅びていく、ということだね」
「長い時間をかけて、生き物の特徴が変わっていくんですね」とたくやが言うと、先生はうなずきました。「そうだね。今いる生き物たちは、自然淘汰を通して、長い年月をかけて今の姿になってきたんだ」
たくやは、池のメダカを見る目が少し変わりました。小さな生き物の体の色や形にも、生き残るための意味があるのだと思うと、もっと調べてみたくなりました。