ゆなの祖父は、若いころ、山の中の村で林業の仕事をしていました。ある日、ゆなは祖父から昔の話を聞きました。
「わしが若いころはな、大雨で道がくずれて村から出られなくなったり、冬の大雪で家がつぶれそうになったりしたものだ。山火事が起きて、みんなで夜通し火を消したこともある」
祖父は続けました。「けがをして、何か月も仕事ができなかったこともあった。あのころは、本当に七難八苦の毎日だったよ」
「しちなんはっく?」とゆなが聞くと、祖父は教えてくれました。「たくさんの災難や苦しみ、という意味だ。次から次へと大変なことが起こったんだよ」
「どうして、そんなに大変なのに続けられたの?」とゆなが聞くと、祖父は笑いました。「村の人たちが、いつも助け合ってくれたからさ。大変なときほど、人のありがたさが分かるもんだ」
その夜、ゆなは日記に祖父の話を書きました。七難八苦をのりこえてきた祖父の笑顔を思い出すと、自分が少し困ったときも、まわりの人に助けてもらいながらがんばろうと思えました。