運動会のリレーで、ソウタのクラスは最後の一周に入ったとき、二位を走っていました。アンカーはソウタです。前を走るのは、足の速い三組のケンでした。
バトンを受けたソウタは、全力で走りました。でも、ケンとの差はなかなかちぢまりません。最後のカーブに入ったとき、ケンは内側をしっかり走っていて、ぬかすすきまがありませんでした。
ソウタは考えました。このまま後ろを走っていても、追いつけない。外側から回れば、走るきょりは長くなるけれど、ぬけるかもしれない。
「一か八か、外から行こう!」ソウタは思い切って外側にふくらみ、残りの力をふりしぼって足を動かしました。応援席から、クラスのみんなの大きな声が聞こえてきました。
ゴールの直前、ソウタはケンにならびました。そして、ほんの少しの差で、先にゴールテープを切りました。クラスのみんなが、わっとかけよってきました。
あとでケンが「外から来るとは思わなかったよ」と言いました。ソウタは「一か八かだったんだ。だめでもいいから、やってみようと思って」と答えました。二人は、来年もまたアンカーで勝負しようと約束しました。