一子相伝(いっしそうでん)

「一子相伝」の意味

学問や芸、技術などの大事なことを、自分の子どもの一人だけに伝えて、ほかの人にはもらさないこと。

「一子相伝」の使い方

このお店の秘伝のたれの作り方は、一子相伝で受けつがれてきた。

小学生に理解できる「一子相伝」を使った物語

なおの家は、百年以上続く和菓子屋さんです。お店の看板商品は、こしあんのまんじゅうです。

あんこの作り方は、昔から一子相伝で、代々の店主が一人の子どもだけに伝えてきました。今の店主はなおのお父さんで、おじいちゃんから作り方を教わりました。

ある日、なおはお父さんに聞きました。「あんこの作り方って、紙に書いてあるの。」お父さんは首をふりました。「書いてあるのは材料だけだよ。火の強さや、まぜる手の感じは、毎日いっしょに作りながら覚えたんだ。」

なおは、ためしにお父さんの横であんこをねってみました。木べらは重く、少し気をぬくと、なべの底がこげそうになります。お父さんは、その日の天気によって、火の強さを少しずつ変えていました。

「一子相伝というのは、ひみつにするためだけじゃないんだ。時間をかけて、そばでしか伝えられないものがあるからなんだよ。」お父さんはそう言って、なおの手に自分の手を重ねました。

なおは、まだ自分がお店をつぐかどうかは決めていません。けれど、なべから立ちのぼるあまいにおいをかぎながら、この味がずっと続いてほしいと心から思いました。

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