夏休みが近づいたある日、サキは自分の貯金箱を開けてみました。友だちと遊園地に行く約束をしていて、その費用を自分で出そうと思ったのです。
ところが、中から出てきたのは十円玉と五十円玉が少しだけ。全部数えても三百円ほどしかありません。遊園地の入場料には、とても足りませんでした。
「これじゃあ、雀の涙だよ」サキががっかりしていると、お父さんが「それなら、夏休みまでに家の手伝いをしてみたらどうかな」と言いました。お風呂そうじや洗たく物をたたむ手伝いをすると、一回ごとに少しずつおこづかいをもらえることになりました。
一回のおこづかいは、雀の涙ほどの金額です。それでもサキは、毎日休まずに手伝いを続けました。カレンダーには、手伝いをした日に丸をつけていきました。
一か月がたつころには、カレンダーは丸でいっぱいになりました。貯金箱を開けてみると、前よりずっと重くなっています。数えてみると、入場料に足りるだけのお金がたまっていました。
遊園地に行った日、サキは自分でためたお金で入場券を買いました。少しずつでも、続ければ大きくなる。サキは、そのことを体でおぼえた夏になりました。