リョウのおばあちゃんは、庭で毎年トマトを育てています。春になると、小さな種をまくところから始めます。
四年生になったリョウは、今年はおばあちゃんといっしょに、トマトを一本だけ自分で育てることにしました。毎朝、学校に行く前に水をやり、葉の様子を観察ノートに書きました。
芽が出たころ、強い風がふいた日には、なえがたおれないように支柱を立てました。わき芽が出てきたら、おばあちゃんに教わったとおりに、ていねいにつみとりました。
夏休みに入ると、緑色の実が少しずつ赤くなっていきました。おばあちゃんは「リョウが手塩にかけて育てたトマトだね。きっとおいしいよ」と言いました。
いちばん最初に赤くなった実を、リョウはそっともぎとりました。半分に切って家族みんなで食べると、あまずっぱい味が口いっぱいに広がりました。
「手塩にかけると、こんなにおいしくなるんだね」とリョウが言うと、おばあちゃんは「育てた人の気持ちも、いっしょに食べているからね」と笑いました。リョウは来年も、自分でトマトを育てようと決めました。