五年生のタカシは、算数の時間、分数のわり算がよくわかりませんでした。先生が「わからない人はいますか」と聞いても、タカシは手をあげられませんでした。
まわりのみんなはわかっているように見えて、自分だけ聞くのがはずかしかったのです。タカシは、わかったふりをして、ノートに式を写していました。
家に帰って宿題をしようとすると、まったく手が動きません。困っていると、お姉ちゃんが言いました。「わからないなら、明日先生に聞いてみたら? 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥、だよ」
お姉ちゃんは続けて言いました。「今聞かないと、次の勉強もわからなくなっちゃうよ。わたしも、前にそれで困ったことがあるんだ」
次の日、タカシは休み時間に勇気を出して、先生のところへ行きました。「分数のわり算が、よくわからないんです」。先生は「聞きに来てくれてうれしいよ」と言って、図をかきながら、ていねいに教えてくれました。
説明を聞くと、タカシはすっかりわかりました。教室にもどると、となりの席のケンも「実は、ぼくもわからなかったんだ」と言いました。タカシは、聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥、という言葉を思い出しながら、ケンに教えてあげました。