来ぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに
焼くや藻塩の 身もこがれつつ
( 権中納言定家:ごんちゅうなごんていか )

よみかた

こぬひとを まつほのうらの ゆふ(う)なぎに やくやもしほ(お)の みもこがれつつ

歌の意味

いつまで待ってもやって来ないあの人を待ち続けながら、松帆の浦の夕なぎの静けさの中で藻塩を焼く火のように、私の身もあなたへの募る恋心で焦がれ燃えていることよ。

詩の背景

松帆の浦の夕なぎという静寂な風景の中、藻塩を焼く炎の様子に自身の焦がれる心を重ね合わせ、訪れぬ人を待ちわびる切なさと燃え上がるような恋の苦悩を鮮烈に表現しています。

「権中納言定家:ごんちゅうなごんていか」は何をした人?

権中納言定家(1162年〜1241年)。

藤原俊成83の子。

藤原定家。

『新古今和歌集』や『百人一首』をまとめた。

彼は卓越した才能と深い教養により、新古今時代の歌壇を牽引した日本文学史上の最高峰の歌人です。

幽玄や有心の世界を追求し、言葉の美しさを極限まで高めたその独創的な作風は、後世の和歌や文学、文化全般に計り知れないほど莫大な影響を与えました。

和歌の規範を確立し、時代を超えて語り継がれる数々の名作を遺したその偉大な足跡は、今なお人々の心に深く刻まれ、日本文化の象徴として称賛され続けています。

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