風そよぐ ならの小川の 夕暮れは
みそぎぞ夏の しるしなりける
( 従二位家隆:じゅにいいえたか )

よみかた

かぜそよぐ ならのを(お)がは(わ)の ゆふ(う)ぐれは みそぎぞなつの しるしなりける

歌の意味

風が心地よくそよぐ楢の小川の夕暮れは、すっかり秋の気配のように涼しいが、川辺で行われている夏越の祓(みそぎ)こそが、今がまだ夏であるという唯一のしるしなのだなあ。

詩の背景

川面を渡るそよ風に秋の気配と涼しさを感じさせながらも、現在行われているみそぎの行事を通して、季節がまだ夏である名残をとどめている情緒的な情景を巧みに描き出しています。

「従二位家隆:じゅにいいえたか」は何をした人?

従二位家隆(1158年〜1237年)。

藤原家隆。

『新古今和歌集』の撰者のひとり。

定家のライバルだった。

彼は平安時代末期から鎌倉初期にかけて活躍した代表的な歌人であり、新古今時代の歌壇を牽引する中心人物として数々の優れた業績を残しました。

自然の景物に対する鋭い観察眼と、気品に満ちた写実的かつ幻想的な歌風は高く評価されています。

後進の指導にも尽力し、和歌の発展に多大な貢献を果たしたその優れた足跡は、日本文学史において今なお極めて重要な位置を占め、深く称賛され続けています。

慣用句 学習用問題