ももしきや 古き軒端の しのぶにも
なほあまりある 昔なりけり
( 順徳院:じゅとくいん )

よみかた

ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほ(お)あまりある むかしなりけり

歌の意味

宮殿の荒れ果てた軒先に生えている忍ぶ草を見るにつけても、どれほど偲んでも偲びきれないほどに、恋しく思い出されるのはあの華やかだった古き良き時代のことであるよ。

詩の背景

武士の台頭により衰退していく宮中の荒れた軒先と忍ぶ草の姿に直面し、かつての天皇中心による華やかな王朝の繁栄と古き良き時代への尽きせぬ懐旧の情を切なく描き出しています。

「順徳院:じゅとくいん」は何をした人?

順徳院(1197年〜1242年)。

第84代天皇。

父は後鳥羽院。

99承久の乱で幕府に敗れ、佐渡島に流された。

彼は優れた学問や和歌の才能を持ち、歌論書『禁秘抄』を著すなど宮廷文化の継承に情熱を傾けたことで知られています。

父・後鳥羽院とともに鎌倉幕府打倒を目指して承久の乱を起こしましたが敗北し、遠島の地で失意のうちに生涯を閉じました。

その波乱に満ちた運命と高い美意識が生み出した数々の作品は、激動の時代を生きた天皇の哀切と気高さを現在に伝えています。

慣用句 学習用問題