人もをし 人もうらめし あぢきなく
世を思ふゆゑに 物思ふ身は
( 後鳥羽院:ごとばいん )

よみかた

ひともを(お)し ひともうらめし あぢ(じ)きなく よをおもふ(う)ゆえに ものおもふ(う)みは

歌の意味

あるときは人が愛おしく思われ、またあるときはうらめしくも思われる。

人生を思い通りにならないものと捉え、世を憂いながら思い悩んでいる私の身の上であるよ。

詩の背景

武士の台頭により朝廷の権力が脅かされる激動の時代背景のもと、ままならない世の不条理に翻弄されながら、人間関係への愛憎や人生の無常感を深く切なく詠み上げています。

「後鳥羽院:ごとばいん」は何をした人?

後鳥羽院(1180年〜1239年)。

第82代天皇。

19歳で退位し、鎌倉幕府をたおそうと承久の乱を起こす。

彼は優れた政治的野望と比類なき文化的才能を併せ持ち、和歌や芸道に通じた優れた歌人としても非常に高い評価を受けています。

自ら『新古今和歌集』の編纂を命じるなど、当時の文化を強力に牽引しました。

しかし、鎌倉幕府との激しい対立に敗れて隠岐へと配流されるという劇的かつ悲運な生涯を送り、その類まれな情熱と挫折の歴史は日本史および文学史において強烈な足跡を刻んでいます。

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