むかしむかし、江戸時代のことです。市場で髪油を売っている行商人がいました。彼はお客様が来ると、髪油を見せながら、まるで友達と話すかのように、だらだらとおしゃべりを始めました。「この油は、髪にツヤを与えてくれるんだよ!」と元気に話しかけると、お客様も興味津々で耳を傾けました。
しかし、お客様が髪油を買うつもりで来たのに、話が長引くと、次第に他の客が待っていることを忘れてしまいました。「この行商人、なかなか油を売るのが上手だなあ」と思っているうちに、時間がどんどん過ぎていきました。お客様は「私、早く帰りたいのに!」と心の中で叫びながらも、彼の話に引き込まれてしまったのです。
こうした行商人の様子を見ていた町の人々は、「この人は本当に油を売っているんだな」と笑いながら言いました。行商人の話が終わる頃、お客様はすっかり油を買う気になり、結局たくさんの髪油を買って帰ることになりました。こうして「油を売る」という言葉は、ただの商売の話から、時間を無駄にすることを指すようになったのです。
今では、学校やお友達の間でも「油を売る」という言葉を使うことがあります。例えば、友達と遊ぶ約束をして待っていると、なかなか来ない友達に対して「また油を売ってるのかな?」と冗談を言うこともあるでしょう。そういう時、この言葉を使うと、みんなで笑い合える楽しい瞬間が生まれます。