亀の甲より年の功
(かめのこうよりとしのこう)
「亀の甲より年の功」の使い方
学校の工作で先生が作った模型がとても上手で、友達と「すごいね、先生の経験がいっぱい詰まっているね。まさに亀の甲より年の功だと思った」と話した。
小学生に理解できる「亀の甲より年の功」を使った物語
町内会のもちつきは、毎年十二月の第二日曜日です。今年、ミツキのお父さんは、初めてきねを持つ係になりました。
「よし、いくぞ」お父さんがきねをふり下ろすと、ぺたん、と音がするだけで、もち米はうすのはしに飛びちりました。もちを返す係の大学生が手を入れようとしたところへ、またきねが下りてきて、二人とも「わっ」と声を上げました。子どもたちは大笑いです。
そこへ、テントのいすにすわっていた川村のおばあちゃんが、ゆっくり立ち上がりました。八十七さいの、町内会でいちばんの年長さんです。おばあちゃんは、大学生と代わってうすの横にしゃがむと、「まずは、こねるの。つくのは、そのあと」と言いました。
お父さんが、きねでもち米をぐりぐりと押しつぶします。しばらくして、おばあちゃんが「はい、どうぞ」と言いました。ぺったん。今度はいい音です。「はい」「ぺったん」「はい」「ぺったん」。おばあちゃんの手は、きねが上がったほんの一しゅんで、もちをくるりと返してしまいます。
できあがったもちは、つやつやで、湯気が立っていました。会長さんが「亀の甲より年の功だね」と言うと、おばあちゃんは「七十年もやってるんだもの」と、指についたもちをつまんで食べました。
そのあと、ミツキもきねを持たせてもらいました。重くて、よろけそうになります。それでも「はい」の声のあとに下ろすと、ぺたん、と小さな音がしました。帰り道、ミツキはお父さんの赤い手のひらを見ながら、「来年は、こねるところからね」と言いました。
「亀の甲より年の功」の例文
- 新人の看護師さんがあやしても泣きやまなかった赤ちゃんが、ベテランの看護師さんにだかれたとたん、すやすやねむった。亀の甲より年の功だ。
- 亀の甲より年の功で、祖母は夕方の空の色を見ただけで、夜から雨になることを言い当てた。
- 「迷ったら、この店でいちばん長く働いている人に聞くといいよ。亀の甲より年の功だからね」と、アルバイトの先輩が教えてくれた。
「亀の甲より年の功」の由来
「甲(こう)」と「功(こう)」の音を合わせたしゃれのような言い方です。




