昔々、ある町にとても忙しい染物屋さんがいました。彼は毎日、大勢のお客さんが持ってくる布を染めるために、朝から晩まで働いていました。お客さんのために全力を尽くしていたので、彼は自分のことなんて考える余裕がありませんでした。
そして、彼の白い袴は、いつも汚れていて、色もついていませんでした。それを見た子どもたちは、「おじさんの袴、白いままじゃないか!」と笑いました。しかし、彼はにっこり笑いながら、「これが僕の仕事だよ。みんなのために頑張ってるから、仕方がないんだ」と言ったのです。
そんなある日、町のお祭りが近づいてきました。染物屋さんは、色とりどりの布で飾り付けをする依頼をたくさん受けました。彼は大忙しで、毎日遅くまで働いていましたが、ふと気づくと、自分の袴はますます白いままでした。それでも彼は、「みんなが喜ぶ顔を見たいから、頑張るぞ!」と心の中で思い続けました。
お祭りの日がやってきて、町は華やかに彩られました。しかし、染物屋さんは、いつも通り白い袴を着ていました。それを見た人々は、「彼は自分のことを後回しにして、みんなのために働いているんだね」と思いました。このように、人のために忙しくしていると、自分のことができなくなることがあるのです。