春過ぎて 夏来にけらし 白妙の
衣ほすてふ 天の香具山
( 持統天皇:じとうてんのう )

よみかた

はるすぎて なつきにけらし しろたへ(え)の ころもほすてふ(ちょう) あまのかぐやま

歌の意味

春の季節が過ぎ去り、季節はすっかり夏になったようです。

夏になれば衣を干すという言い伝えのある天の香具山に、今、真っ白な衣が干されているのが見えます。

詩の背景

神聖な場所として知られる天の香具山を舞台とした歌です。

持統天皇が藤原京から眺めた際、緑豊かな山肌に映える真っ白な衣のコントラストに初夏の訪れを感じ取りました。

この歌は『万葉集』にある原歌を基に、より情緒的で雅な表現を加えて磨き上げたものとされており、季節の移ろいと香具山の神々しさが巧みに融合されています。

「持統天皇:じとうてんのう」は何をした人?

持統天皇(じとうてんのう)は、天智天皇の娘であり、天武天皇の奥さんです。

690年から697年まで天皇として国を治めました。

特に有名な功績は、夫である天武天皇が作り始めた「飛鳥浄御原令(あすかきよみはらりょう)」という法律を完成させて施行したことや、日本初の本格的な都である「藤原京(ふじわらきょう)」を完成させたことです。

政治手腕に優れ、天武天皇の遺志を継いで国づくりを強力に進めた、日本史の中でも非常に力強く、影響力の大きかった女性の天皇です。

慣用句 学習用問題