忘らるる 身をば思はず 誓ひてし
人の命の 惜しくもあるかな
( 右近:うこん )

よみかた

わすらるる みをばおもは(わ)ず ちかひ(い)てし ひとのいのちの を(お)しくもあるかな

歌の意味

あなたに忘れられてしまう自分の身の上のことは、決して惜しいとは思いません。

ただ、私のことを愛し続けると神に誓ったあなたが、その誓いを破って神罰を受け、命を失うことになるのが何よりも惜しまれるのです。

詩の背景

自分を捨てた相手に対し、裏切られた悲しみよりも、神との誓いを破った相手の身を案じるという、情愛の深さと鋭い皮肉が込められた一首です。

「右近:うこん」は何をした人?

右近(生没年不詳)は、醍醐天皇の中宮(后)である穏子に仕えた人物であり、当時の歌壇で恋多き女性として知られています。

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