やすらはで 寝なましものを 小夜更けて
かたぶくまでの 月を見しかな
( 赤染衛門:あかぞめえもん )

よみかた

やすらは(わ)で ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな

歌の意味

あなたが来ないとあらかじめ分かっていたなら、迷わずに寝てしまったものを。

あなたを待ち続けているうちに夜もすっかり更け、西の空に傾いていく月まで見てしまいました。

詩の背景

待ち焦がれた夜の情景と、徒労に終わった虚しさを、沈みゆく月という象徴的なイメージで表現しています。

女性の忍耐と切実な恋心が伝わる一首です。

「赤染衛門:あかぞめえもん」は何をした人?

赤染衛門(958年頃〜1041年頃)は、一条天皇の中宮彰子に仕え、和泉式部と並び称された平安時代を代表する女流歌人です。

歴史物語『栄花物語』の作者とも目されており、その高い教養と洗練された表現力から、当時の宮廷社会において絶大な評価と尊敬を集めていました。

公私ともに充実した人生を送り、歌人として多くの優れた作品を後世に残した、平安文学史に欠かせない人物の一人です。

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