心にも あらでうき世に ながらへば
恋しかるべき 夜半の月かな
( 三条院:さんじょういん )

よみかた

こころにも あらでうきよに ながらへ(え)ば こいしかるべき よは(わ)のつきかな

歌の意味

本意ではないにもかかわらず、このつらい浮世にこれからも生きながらえていくならば、今日のこの美しい夜半の月を、のちにどんなに恋しく思い出すことだろうか。

詩の背景

理不尽な政治的圧力によって失意のなか位を追われる過酷な運命に直面しながらも、夜空の月に自らの孤独な心を重ね、将来の哀切と幽玄な美しさを静かに見つめる帝の心情が表現されています。

「三条院:さんじょういん」は何をした人?

三条院(976年〜1017年)。

第67代天皇。

藤原道長の圧力により、5年で天皇の位を退いた。

彼は不遇のなかでも教養や和歌に対する高い感性を失わず、自らの悲運や移りゆく世への切なさを多くの優れた作品に昇華させました。

その人生は権力闘争に翻弄された波乱に満ちたものでしたが、歴史の表舞台で帝として果たした役割や、その繊細で気高いたたずまいは、後世の文学や人々の記憶に深く刻まれることとなりました。

慣用句 学習用問題