憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ
はげしかれとは 祈らぬものを
( 源俊頼朝臣:みなもとのとしよりあそん )

よみかた

うかりける ひとをはつせの やまおろしよ はげしかれとは いらぬものを

歌の意味

自分に対して冷たくつれなくするあの人が、どうか振り向いてくれるよう初瀬の観音様にお祈りしたのに、初瀬の山おろしよ、お前のようにこうしてますます冷たく激しくなってくれとは祈らなかったものを。

詩の背景

冷たくつれない恋人の態度を、長谷寺の寒風である「山おろし」に喩え、祈願が空しくかえってつらさが倍増してしまった切なさとやるせない悲哀を鮮やかに表現しています。

「源俊頼朝臣:みなもとのとしよりあそん」は何をした人?

源俊頼朝臣(1055年?〜1129年)。

源経信の息子で、俊恵の父。

音楽の才能があり、『金葉和歌集』をまとめた。

彼は従来の和歌のルールにとらわれない斬新で革新的な作風を好み、当時の歌壇に大きな影響を与えました。

和歌の本質や表現の可能性を追求し続けたその姿勢は、後世の歌人たちにも深く継承され、平安時代後期における歌道界の発展において極めて重要な役割を果たした人物として称えられています。

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