契りおきし させもが露を 命にて
あはれ今年の 秋もいぬめり
( 藤原基俊:ふじわらのもととし )

よみかた

ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あは(わ)れことしの あきもいぬめり

歌の意味

約束してくださった頼りない言葉を命のように大切に待ち続けていたのに、ああ、今年もまた望みがかなわないまま秋が過ぎ去ってしまうようだ。

詩の背景

有力者からの約束を信じて期待し続けたものの、それが裏切られて空しく秋が過ぎ去っていく失望感とやるせない恨みを、巧みな言葉遊びと哀愁漂う情緒をもって表現しています。

「藤原基俊:ふじわらのもととし」は何をした人?

藤原基俊(1060年頃〜1142年頃)。

藤原道長のひ孫。

歌の世界では重んじられたが、出世しなかった。

彼は当時の歌壇において非常に高い権威を持ち、厳格な歌風や豊かな古典の知識で多くの後進に影響を与えました。

しかし、その妥協のない性格や高い自負心ゆえに人間関係で衝突することも多く、政治的な出世からは遠ざかることになりました。

それでも、その卓越した歌人としての才能や審美眼は、平安時代末期の歌道界において確固たる足跡を残し、和歌の発展に多大な貢献を果たしました。

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