思ひわび さても命は あるものを
憂きにたへぬは 涙なりけり
( 道因法師:どういんほうし )

よみかた

おもひ(い)わび さてもいのちは あるものを うきにたへ(え)ぬは なみだなりけり

歌の意味

愛する人に振り向いてもらえず、思い悩んで疲れ果てても、命そのものはどうにか失われずに生き長らえているのに、このつらさにどうしても耐えきれずにあふれ出てきてしまうのは涙であったよ。

詩の背景

ままならない恋の苦しみや、人生の過酷な試練に直面しながらも、耐え忍ぶ命の強さと、どうしてもこらえきれずにあふれ出る涙の切なさを対比させ、深い人生の哀愁を表現しています。

「道因法師:どういんほうし」は何をした人?

道因法師(1090年〜1182年頃)。

出家前の名前は藤原敦頼。

崇徳院に仕え、80歳を過ぎて出家した。

長寿を全うし、晩年まで和歌の道を究め続けたその情熱的な生き様は、当時の歌壇においても異彩を放つものでした。

数々の苦難や時代のうねりを経験しながらも、生涯を通じて和歌に対する純粋な心を失わず、後世の歌人たちに多大な影響を与えました。

彼が残した数々の作品やひたむきな姿勢は、平安時代末期から鎌倉初期にかけての文化的な豊かさを物語る貴重な足跡として、今なお深く人々の記憶に刻まれています。

慣用句 学習用問題