夜もすがら 物思ふころは 明けやらで
ねやのひまさへ つれなかりけり
( 俊恵法師:しゅんえほうし )

よみかた

よもすがら ものおもふ(う)ころは あけやらで ねやのひまさへ(え) つれなかりけり

歌の意味

一晩中ずっと恋しい男性を待ちわびて思い悩んでいるこの頃は、夜がなかなか明けてくれず、寝室の戸のすき間から差し込むはずの朝の光さえも冷たくつれなく感じられることだよ。

詩の背景

恋人を一途に待ち続ける長い夜の切なさと焦燥感を、寝室の戸のすき間という細やかな視点を通して冷たく感じられる情景に重ね合わせ、情感豊かに描き出しています。

「俊恵法師:しゅんえほうし」は何をした人?

俊恵法師(1113年〜1191年頃)。

源俊頼の息子で、父の死後若くして出家した。

のちに鴨長明の師となる。

彼は平安時代末期から鎌倉初期にかけて活躍した歌僧であり、歌林苑という歌会を主催して多くの優れた歌人を集めました。

伝統的な和歌の美しさを重んじながらも、鋭い観察眼と豊かな叙情性を持った作風で当時の歌壇に大きな足跡を残しました。

後進の指導にも尽力し、日本文学の発展に貢献したその生涯や業績は、和歌の歴史において非常に重要な位置を占め、今なお高く評価され続けています。

慣用句 学習用問題