難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ
みをつくしてや 恋ひわたるべき
( 皇嘉門院別当:こうかもんいんのべっとう )

よみかた

なには(わ)えの あしのかりねの ひとよゆえ みをつくしてや こひ(い)わたるべき

歌の意味

難波の入江の芦のかりねの一夜という、ほんの短いかりそめの逢瀬であったために、私はこれから我が身を滅ぼす(「みをつくし」)ほどに、あなたを恋い続けなければならないのでしょうか。

詩の背景

旅の宿での一夜というはかない逢瀬をきっかけに、その後もずっとその恋に苦しみ身を滅ぼしていくかもしれない切なさを、難波江の風景や「芦」「澪標」などの巧みな掛詞を用いて情感豊かに表現しています。

「皇嘉門院別当:こうかもんいんのべっとう」は何をした人?

皇嘉門院別当(生没年不詳)。

藤原俊兼の娘。

崇徳院の御裳着(着)皇嘉門院に仕え、別当(宮廷業務に任え、別当(女官長)と呼ばれた。

彼女は平安時代末期から鎌倉初期にかけての宮廷歌壇で活躍した優れた女性歌人であり、その豊かな教養と洗練された表現力によって多くの歌会や歌合に参加しました。

恋の切なさや女性特有の繊細な心情を鮮やかに描き出したその作品の数々は、当時の公卿や歌人たちからも高く評価され、後世の歌集にも多く採録されるなど、和歌の歴史において独自の輝きを放ち、今なお深く称賛され続けています。

慣用句 学習用問題