きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
衣片敷き ひとりかも寝む
( 後京極摂政前太政大臣:ごきょうごくせっしょうさだいだいじん )

よみかた

きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ(ん)

歌の意味

こおろぎがもの寂しく鳴き響く霜夜の冷たいむしろの上で、私は自分の衣の片袖を敷いて、これから先もずっとたったひとりで寝ることになるのだろうか。

詩の背景

妻を亡くしたばかりの深い悲しみの中、冷え冷えとした霜夜に虫の音を聞きながら、たった一人で衣を片敷いて寝る孤独な境遇と切なさを痛切に描き出しています。

「後京極摂政前太政大臣:ごきょうごくせっしょうさだいだいじん」は何をした人?

後京極摂政前太政大臣(1169年〜1206年)。

藤原(九条)良経。

『新古今集』の撰者。

摂政・太政大臣になるも38歳で急死した。

彼は類まれな和歌の才能を持ち、新古今時代の歌壇を牽引する中心人物として数々の優れた業績を残しました。

若くして最高位に上り詰めながらも突然の死を迎えるという劇的な人生を送りましたが、その洗練された情趣と革新的な表現力は後世の文学に絶大な影響を与え、日本歌道史に燦然と輝く足跡を刻んでいます。

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