中学一年生のゆうきは、サッカー部に入るのを楽しみにしていました。ところが、入部の前日に足首をねんざしてしまい、しばらく運動ができなくなってしまいました。
「どうしてこんなときに。」ゆうきはがっかりして、家でじっとしているしかありませんでした。ひまをもてあましたゆうきは、兄の部屋にあった天体の本を読みはじめました。
本を読むうちに、ゆうきは星の世界にどんどん引きこまれていきました。夜になると、ベランダから星座をさがすのが楽しみになりました。
足が治ったころ、学校に天文部があることを知りました。ゆうきは思いきって見学に行き、そのまま入部することにしました。部員たちは星にくわしく、話しているだけでわくわくしました。
夏休みには、部のみんなで山の上の天文台に行き、大きな望遠鏡で土星の輪を見ました。ゆうきは、そのあまりの美しさに声も出ませんでした。
帰りの車の中で、ゆうきはお父さんに言いました。「足をけがしたときは、最悪だと思ったんだ。でも、そのおかげで星が好きになったよ。」
お父さんはうなずいて言いました。「人間万事塞翁が馬だね。悪いことだと思ったことが、よいことにつながることもあるんだよ。」
ゆうきは、これから悪いことがあっても、すぐにあきらめないでいようと思いました。