故事成語辞典
ひどく驚いて、立てなくなること。
暗い部屋で急に弟が飛び出してきて、腰を抜かしそうになった。
「牛なんて、こわくもなんともないよ」。牧場へ向かう車の中で、中学生のジュンはそう言っていました。妹のマユは、生まれて初めての乳しぼり体験が楽しみで、朝からずっとそわそわしていました。牛小屋に着くと、まずジュンの番が来ました。係のお姉さんに教わったとおり、白黒の大きな牛の横にしゃがみこみ、そっと手をのばします。そのときです。牛が首をぐるっとこちらに向けて、「ンモオオオー」と鳴きました。すぐ耳もとで聞くその声は、トラックのクラクションのようでした。ジュンは「うわっ」と言ったまま、わらの上にしりもちをつき、そのまま立てなくなってしまいました。係のお姉さんは、「この子はハナコっていうんです。あいさつしただけなんですよ」と笑いながら、ジュンを引っぱり起こしてくれました。お父さんは「みごとに腰を抜かしたなあ」と言いながら、しっかりスマホで写真をとっていました。マユの番になると、ハナコはもう鳴きませんでした。しぼった牛乳は手のひらの上でまだあたたかく、少しあまいにおいがしました。帰りの車で、マユが写真の話をしようとすると、ジュンはだまってイヤホンをつけてしまいました。
「牛なんて、こわくもなんともないよ」。牧場へ向かう車の中で、中学生のジュンはそう言っていました。妹のマユは、生まれて初めての乳しぼり体験が楽しみで、朝からずっとそわそわしていました。
牛小屋に着くと、まずジュンの番が来ました。係のお姉さんに教わったとおり、白黒の大きな牛の横にしゃがみこみ、そっと手をのばします。
そのときです。牛が首をぐるっとこちらに向けて、「ンモオオオー」と鳴きました。すぐ耳もとで聞くその声は、トラックのクラクションのようでした。ジュンは「うわっ」と言ったまま、わらの上にしりもちをつき、そのまま立てなくなってしまいました。
係のお姉さんは、「この子はハナコっていうんです。あいさつしただけなんですよ」と笑いながら、ジュンを引っぱり起こしてくれました。お父さんは「みごとに腰を抜かしたなあ」と言いながら、しっかりスマホで写真をとっていました。
マユの番になると、ハナコはもう鳴きませんでした。しぼった牛乳は手のひらの上でまだあたたかく、少しあまいにおいがしました。帰りの車で、マユが写真の話をしようとすると、ジュンはだまってイヤホンをつけてしまいました。
ひどく驚いて腰に力が入らず、立てなくなる様子をそのまま言った言い方です。
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