故事成語辞典
財産をなくして、家をおとろえさせること。
その殿様は、ぜいたくをしすぎて家を傾かせたという。
むかしむかし、ある町に、大きな呉服屋がありました。主人はまじめな働き者で、店はいつもお客さんでにぎわっていました。ところが、主人が年をとって店をゆずると、跡をついだ息子は、仕事よりも遊ぶことに夢中になりました。毎晩のように宴会を開き、高い品物を次々と買いこみました。番頭は、何度も息子をいさめました。「若だんな、このままでは家を傾けてしまいます」。けれど息子は、「この店のお金は、使っても使ってもなくならないさ」と、耳を貸しませんでした。数年たつと、店のたくわえはすっかりなくなってしまいました。お客さんも少しずつ減り、店の奥の蔵は空っぽになりました。ようやく目がさめた息子は、番頭の前で頭を下げました。「わたしのせいで、家を傾けてしまった。どうか、もう一度やり直す方法を教えてほしい」。番頭は、父親の主人がしていたように、朝早くから店先に立つことをすすめました。息子は、遊ぶのをやめて、毎日ていねいにお客さんと向き合いました。何年もかかって、店は少しずつ元の姿を取りもどしていきました。息子は、家を傾けた日のことを、一生忘れなかったそうです。
むかしむかし、ある町に、大きな呉服屋がありました。主人はまじめな働き者で、店はいつもお客さんでにぎわっていました。
ところが、主人が年をとって店をゆずると、跡をついだ息子は、仕事よりも遊ぶことに夢中になりました。毎晩のように宴会を開き、高い品物を次々と買いこみました。
番頭は、何度も息子をいさめました。「若だんな、このままでは家を傾けてしまいます」。けれど息子は、「この店のお金は、使っても使ってもなくならないさ」と、耳を貸しませんでした。
数年たつと、店のたくわえはすっかりなくなってしまいました。お客さんも少しずつ減り、店の奥の蔵は空っぽになりました。
ようやく目がさめた息子は、番頭の前で頭を下げました。「わたしのせいで、家を傾けてしまった。どうか、もう一度やり直す方法を教えてほしい」。
番頭は、父親の主人がしていたように、朝早くから店先に立つことをすすめました。息子は、遊ぶのをやめて、毎日ていねいにお客さんと向き合いました。
何年もかかって、店は少しずつ元の姿を取りもどしていきました。息子は、家を傾けた日のことを、一生忘れなかったそうです。
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