故事成語辞典
相手に悪いことをしたり、ごぶさたしたりしていて、その人の家に行きにくいこと。
借りた本をずっと返していないので、おじさんの家は敷居が高い。
小学六年のこうたは、三年生のときまで、近所のたなかさんの家によく遊びに行っていました。たなかさんは、将棋を教えてくれる、やさしいおじいさんでした。ところが、こうたはある日、たなかさんの大切な将棋のこまを一つ、なくしてしまいました。こわくて言い出せないまま、こうたは遊びに行かなくなりました。それから三年。たなかさんの家の前を通るたびに、こうたは足が速くなりました。敷居が高くて、とても門をくぐれなかったのです。たなかさんも、ときどき家の前でこうたを見かけると、手をふってくれました。でもこうたは、気づかないふりをして、急いで通り過ぎてしまうのでした。ある日、引き出しのおくから、あのこまが出てきました。こうたは、ずっと気になっていたことに、決着をつけようと思いました。勇気を出してチャイムを鳴らし、こうたはこまを差し出してあやまりました。たなかさんは目を丸くしてから、笑いました。「よく来てくれたね。ずっと待っていたよ」。その日、二人は三年ぶりに将棋をさしました。敷居が高いと感じていたのは、自分の心だったのだと、こうたは思いました。
小学六年のこうたは、三年生のときまで、近所のたなかさんの家によく遊びに行っていました。たなかさんは、将棋を教えてくれる、やさしいおじいさんでした。
ところが、こうたはある日、たなかさんの大切な将棋のこまを一つ、なくしてしまいました。こわくて言い出せないまま、こうたは遊びに行かなくなりました。
それから三年。たなかさんの家の前を通るたびに、こうたは足が速くなりました。敷居が高くて、とても門をくぐれなかったのです。
たなかさんも、ときどき家の前でこうたを見かけると、手をふってくれました。でもこうたは、気づかないふりをして、急いで通り過ぎてしまうのでした。
ある日、引き出しのおくから、あのこまが出てきました。こうたは、ずっと気になっていたことに、決着をつけようと思いました。
勇気を出してチャイムを鳴らし、こうたはこまを差し出してあやまりました。たなかさんは目を丸くしてから、笑いました。
「よく来てくれたね。ずっと待っていたよ」。その日、二人は三年ぶりに将棋をさしました。敷居が高いと感じていたのは、自分の心だったのだと、こうたは思いました。
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