故事成語辞典
今の様子だけで決めつけず、将来のことまで考えて、気長に見守ること。
まだ下手でも、弟のピアノは長い目で見てあげよう。
駅前の古いたばこ屋さんのあとに、ミノリのお母さんが小さな古本屋を開いたのは、四月の終わりでした。本のたなは、お父さんが週末に組み立てたものです。開いて一週間、ミノリは学校から帰るたびに、売れた本の名前を書くレジの横のノートを見ました。月曜日は二さつ。火曜日は〇。水曜日も〇でした。「ねえ、だれも来ないよ」ミノリが言うと、お母さんは本にはたきをかけながら「来てるよ。のぞいて帰った人が、きょうは十一人」と答えました。それは来たうちに入らない、とミノリは思いました。二週間目、お母さんは店の前に、絵本ばかりの低いたなを出し、「すわって読んでいいです」という紙をはりました。それでは売れないのに、とミノリは思いましたが、お母さんは「この店は、長い目で見ることにしてるの」と言うだけでした。五月になると、学校帰りの一年生が、たなの前にしゃがみこむようになりました。雨の日には、むかえに来たお母さんたちが店の中まで入ってきます。ある日、ノートに、料理の本の名前が三さつ続けて書いてありました。六月の初め、店の前で毎日同じ恐竜の絵本を読んでいた男の子が、おばあちゃんと手をつないでやってきました。男の子はその本をレジに持ってくると、ミノリを見て「これ、うちの本にする」と言いました。ミノリは、習ったとおりに、本に茶色の紙のカバーをかけてわたしました。
駅前の古いたばこ屋さんのあとに、ミノリのお母さんが小さな古本屋を開いたのは、四月の終わりでした。本のたなは、お父さんが週末に組み立てたものです。
開いて一週間、ミノリは学校から帰るたびに、売れた本の名前を書くレジの横のノートを見ました。月曜日は二さつ。火曜日は〇。水曜日も〇でした。
「ねえ、だれも来ないよ」ミノリが言うと、お母さんは本にはたきをかけながら「来てるよ。のぞいて帰った人が、きょうは十一人」と答えました。それは来たうちに入らない、とミノリは思いました。
二週間目、お母さんは店の前に、絵本ばかりの低いたなを出し、「すわって読んでいいです」という紙をはりました。それでは売れないのに、とミノリは思いましたが、お母さんは「この店は、長い目で見ることにしてるの」と言うだけでした。
五月になると、学校帰りの一年生が、たなの前にしゃがみこむようになりました。雨の日には、むかえに来たお母さんたちが店の中まで入ってきます。ある日、ノートに、料理の本の名前が三さつ続けて書いてありました。
六月の初め、店の前で毎日同じ恐竜の絵本を読んでいた男の子が、おばあちゃんと手をつないでやってきました。男の子はその本をレジに持ってくると、ミノリを見て「これ、うちの本にする」と言いました。ミノリは、習ったとおりに、本に茶色の紙のカバーをかけてわたしました。
目の前の短いあいだだけでなく、先のほうまで長く見通す様子を言った言い方です。
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