夏休み、リナは家族といっしょに、県の科学館へ出かけました。いちばんの楽しみは、プラネタリウムです。
ドームの中に入ると、いすがゆっくりとうしろにたおれ、天井が真っ暗になりました。そして、次のしゅんかん、頭の上いっぱいに、数えきれないほどの星があらわれました。
リナは、思わず目を見張りました。家の近くでは、夜空を見上げても星は数えるほどしか見えません。こんなにたくさんの星があったなんて、知らなかったのです。
解説の人が「これが、町の明かりがない場所で見える本当の星空です」と言いました。天の川が、白い帯のように空を横切っています。となりにすわっていた弟のケイも、口をぽかんと開けて見上げていました。
プラネタリウムを出たあと、リナはお父さんに聞きました。「本当にあんな星空が見られる場所があるの?」。お父さんは「山の上のキャンプ場なら、見られるかもしれないね」と答えました。
その年の秋、家族は山のキャンプ場に行きました。夜、テントの外に出ると、プラネタリウムで見たような星空が広がっていました。リナとケイは、もう一度目を見張って、いつまでも空を見上げていました。