ハルトの家の庭には、小さな野菜畑があります。おじいちゃんが育てているトマトが、夏になるとたくさん実ります。
ところが、ある年から、カラスがトマトをつつきに来るようになりました。おじいちゃんは、畑の上にあみをはりました。すると数日後、カラスはあみのすき間から、くちばしを入れてトマトを食べていました。
おじいちゃんは、あみのすき間をひもでしっかりとしばりました。すると今度は、カラスはあみの低いところを足で持ち上げて、下からもぐりこむようになりました。
おじいちゃんがあみのすそに石をのせると、カラスはまた別の場所からねらってきます。ハルトは、「おじいちゃんとカラス、いたちごっこだね」と言いました。おじいちゃんも「まったく、きりがないな」と苦笑いしました。
そこでハルトは、図書館で鳥よけの方法を調べてみました。すると、カラスは光るものや、急に動くものをいやがると書いてありました。二人は、使わなくなったCDをひもでつるして、畑のまわりに下げてみました。
CDが風でゆれてきらきら光ると、カラスはあまり近づかなくなりました。「これで、いたちごっこも一休みだね」とハルトが言うと、おじいちゃんは真っ赤なトマトを一つもいで、ハルトにわたしてくれました。