中学二年生のなおやは、生徒会の役員に選ばれました。仕事は思っていたよりずっと大変で、朝早くのあいさつ運動や、放課後の会議が毎日のようにありました。
「どうして、こんなにめんどうなことを引き受けちゃったんだろう。」なおやは、家でぐちをこぼしました。
すると、お父さんが言いました。「若い時の苦労は買ってでもせよ、という言葉がある。今の苦労は、大人になってから必ず役に立つよ。」
「本当かなあ。」なおやは半信半疑でしたが、引き受けた以上は最後までやろうと決めました。
それから、なおやは文化祭の準備で、各クラスの意見をまとめる役を任されました。意見がぶつかって話し合いがまとまらない日もありました。それでも、一人ひとりの話を聞き、みんなが納得できる案をさがしました。
文化祭は大成功に終わりました。先生からも「なおやくんのおかげで、みんながまとまった」とほめられました。
その年の終わり、なおやはふと気がつきました。前は人前で話すのが苦手だったのに、今では全校集会でも落ち着いて話せるようになっていたのです。
「お父さん、苦労したかいがあったよ。」なおやが言うと、お父さんはにっこり笑いました。「若い時の苦労は買ってでもせよ、だろう。」なおやは、大変だった毎日が、自分を大きくしてくれたのだと感じました。