日曜日の朝、ひなたと兄のだいちは、テレビのチャンネルのことで言い合いになりました。
「ぼくが先に見ていたんだぞ。」だいちが言うと、ひなたも「わたしが見たい番組のほうが先に始まるもん」と言い返しました。
「ひなたはいつもわがままだな。」だいちがそう言うと、ひなたもかっとなりました。「お兄ちゃんこそ、いじわるばっかり。」売り言葉に買い言葉で、二人の声はどんどん大きくなっていきました。
とうとう、ひなたは自分の部屋にかけこんで、ドアをばたんとしめてしまいました。だいちも、リビングでぷいと横を向きました。
しばらくして、ひなたはベッドの上で考えました。「わたしも、ひどいことを言っちゃったな。」本当は、兄のことをきらいだなんて思っていないのです。
そのとき、ドアをたたく音がしました。だいちが、少しこまった顔で立っていました。「さっきは、言いすぎた。ごめん。」
ひなたも、小さな声で「わたしも、ごめんね」とあやまりました。二人は、番組を交代で見ることに決めました。
夕方、お母さんにその話をすると、お母さんは言いました。「売り言葉に買い言葉で、けんかが大きくなることはよくあるのよ。どちらかが一歩ゆずれば、すぐにおさまるのにね。」ひなたは、次からは言い返す前に、ひと呼吸おこうと思いました。