故事成語辞典
夢中になっていた気持ちが、うすれること。
あんなに好きだったゲームも、一か月で熱が冷めてしまった。
七月の終わり、ルイはお母さんの古いスマホを借りて、空の写真をとり始めました。はじめの一週間は、朝も昼も夕方も、窓から空にレンズを向けました。わたあめのような雲、飛行機の白い線、雨上がりのうすい虹。一日に二十まいとった日もあります。夜になると、とった写真を一まいずつ見せに来るので、お父さんは「もう雲の名前、全部言えるだろう」とあきれていました。二週目に入ると、写真は一日五まいになりました。三週目は、気がついたときだけ。プールやいとこの家へのとまりが続いて、スマホは本だなの上で電池が切れたままになりました。八月の終わりには、ルイは空を見上げることもなくなりました。ルイの熱が冷めたことに、家族のだれも、何も言いませんでした。冬休みのある日、ルイは本だなのそうじをしていて、あのスマホを見つけました。じゅう電して電源を入れると、七月の空がずらりとならびました。同じような青ばかりだと思っていたのに、よく見ると、一まいずつちがいます。七月二十五日の夕方の空は、オレンジとむらさきのしまもようでした。見た覚えのない色です。ルイは窓を開けました。つめたい風といっしょに、うすい灰色の冬の空が見えました。ルイは少し考えてから、スマホをかまえました。
七月の終わり、ルイはお母さんの古いスマホを借りて、空の写真をとり始めました。
はじめの一週間は、朝も昼も夕方も、窓から空にレンズを向けました。わたあめのような雲、飛行機の白い線、雨上がりのうすい虹。一日に二十まいとった日もあります。夜になると、とった写真を一まいずつ見せに来るので、お父さんは「もう雲の名前、全部言えるだろう」とあきれていました。
二週目に入ると、写真は一日五まいになりました。三週目は、気がついたときだけ。プールやいとこの家へのとまりが続いて、スマホは本だなの上で電池が切れたままになりました。
八月の終わりには、ルイは空を見上げることもなくなりました。ルイの熱が冷めたことに、家族のだれも、何も言いませんでした。
冬休みのある日、ルイは本だなのそうじをしていて、あのスマホを見つけました。じゅう電して電源を入れると、七月の空がずらりとならびました。
同じような青ばかりだと思っていたのに、よく見ると、一まいずつちがいます。七月二十五日の夕方の空は、オレンジとむらさきのしまもようでした。見た覚えのない色です。
ルイは窓を開けました。つめたい風といっしょに、うすい灰色の冬の空が見えました。ルイは少し考えてから、スマホをかまえました。
熱いものが少しずつ冷めていくように、気持ちの高まりがうすれていくことにたとえた言い方です。
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