マナのクラスに、四月から転校してきたレンという男の子がいます。レンは勉強もスポーツもよくでき、すぐにクラスの人気者になりました。
でも、レンにはひとつくせがありました。テストが返されるたびに、「ぼく、また百点だった。前の学校では、いつもいちばんだったんだ」と、まわりに聞こえるように言うのです。
はじめのうちは「すごいね」と言っていたクラスの子たちも、だんだん返事をしなくなりました。マナも、レンのじまん話が少し鼻につくようになっていました。
ある日、算数の時間に、マナがわからない問題で困っていると、レンが「ここは、こう考えるといいよ」と、ていねいに教えてくれました。その説明は、先生よりもわかりやすいくらいでした。
マナは思い切って言いました。「レンくん、教えるのすごく上手だね。点数の話をするより、こうやって教えてくれるほうが、みんなうれしいと思うよ」。レンは少しおどろいた顔をして、「そうかな」とつぶやきました。
それからレンは、点数のじまんをしなくなり、困っている子に勉強を教えるようになりました。鼻につくと思っていたレンのことを、マナは今では頼れる友だちだと思っています。