四年生のハルトのクラスに、アヤという女の子がいます。アヤは本が大好きで、いつも物語の話をしてくれます。
ある日、国語の時間に、好きな本を紹介する発表がありました。多くの子が、紙に書いた原稿を見ながら、ゆっくりと発表していました。
アヤの番になると、アヤは原稿を見ずに話し始めました。「この本の主人公は、森で道に迷った女の子です。女の子は、しゃべるキツネに出会って……」。アヤの話は、一度もつかえることなく、すらすらと続いていきました。
クラスのみんなは、アヤの話にすっかり引きこまれました。発表が終わると、担任の先生が言いました。「アヤさんの発表は、立て板に水だね。本の楽しさがよく伝わってきたよ」
休み時間、ハルトはアヤに「どうしてあんなにすらすら話せるの?」と聞きました。アヤは「家で、家族に何回も話して練習したんだ。好きな本だから、話すのが楽しくて」と答えました。
次の発表のとき、ハルトもアヤのまねをして、家で家族に何度も話してみました。立て板に水とはいきませんでしたが、前よりずっとすらすら話せるようになり、ハルトはうれしくなりました。